今、世界中がコロナウイルスとそれに伴う経済問題と戦っています。
この近代稀に見るパンデミックを私は日本の外で経験することになりました。
この様子を残しておきたく、記事を書いています。
バンクーバーの様子
バンクーバーでは3月2週目の16日あたりから外出を自粛するようアナウンスがありました。
学校は閉鎖されて、仕事もリモートワークに切り替わるか自宅待機、それが出来ない場合失業という人もいます。
街はカフェ、レストランを含むほとんどの店がクローズ状態。開いていても持ち帰りやデリバリーのみの対応に。
公園は遊具に立ち入り禁止のテープが貼られ、子供が遊びに来れないようにしてあります。
ビーチには従来たくさんの大きな流木がおかれており、そこに座っておしゃべりをする人が多く見られるのですが、ソーシャルディスタンスが守れなくなるとして撤去されました。
スーパーマーケットは開いていて食料は確保できますが、一度にたくさんの人が集まらないよう入り口で入場制限が設けられています。
入りたければ列に並んで待つしかありませんが、その列も前後で2mの間隔を取ることが求められています。
なんというか自粛要請が出されてからの行政や人々の動きはとても早く、シリアスで、「まだ大丈夫だろう」という呑気な気持ちを持たせないようなものでした。
そしてカナダ政府は2020年3月15日までに遡った、最大3ヶ月の賃金の75%に相当する金額を補助することを宣言しました。
以下詳細
https://torja.ca/covid19news0330
その頃日本では
日本は3月28日〜29日にかけてやっと外出自粛のアナウンスがながれました。
それも週末だけ。
平日にはたくさんの人が満員電車にのって通勤をしなければいけない状態です。
外から見る自国の動きはとても遅く、国民が自発的に行動しない限り知ったこっちゃないというような対応に見えます。
自粛は要請しても補償金の話がないので、特に客商売をしている人たちは従業員の雇用や店そのものの維持の為に自粛したくてもできない状態です。
この不思議なギャップを身をもって体感できるのは、自分が海外で生活することを選択したからこそだと思います。
こんな時にどう過ごすべきか
とはいえ私はここで何かを批判したいわけではありません。
私はカナダに着いて2週間ほどで自粛生活が始まり、友達を作りに行くことも出来ずかなり孤独な生活を送ることになりました。
1人でいるとネットの情報を漁ってしまい、過酷な状況を迎えた人達のことを考えて勝手に落ち込みます。
自分はカナダに来て何をしているんだろうということに思いを馳せてしまう事も少なくありません。今コロナにかかったら、どうなるのだろうという漠然とした不安もあります。
そして日本の対応に疑問を覚えながらも、
これから日本いる自分の家族や友達が同じような孤独や非力感に悩ませられることが容易に想像でき心が痛いです。
特にバンクーバーではクラブは軒並みクローズされてしまっているので、エンターテイメントで生計を立てている人達に何が起こるのか、安易に想像する事もはばかられます。
1番大切なのは自分の不安に飲み込まれないようにすることです。
こういう状況だと人は自分の中にモンスターを作り出してしまいます。
そしてもっともっと最悪な状況を自分の心の中にイメージしてしまうのです。
最悪の出来事にも必ず良い面が存在します。
増え続ける感染者の数を見守る事も大切ですが、どのくらいの人々が回復したのかに注目する事も大切です。
中国では81518人の感染者の内、76052の人が回復しています。(カナダ時間3/31 18時 現在)
自粛生活の中で家族との時間が増やせたり、
不規則だった生活が規則正しくなったり、
当たり前にあったものの有り難みを噛み締め、感謝することができるはずです。
必要以上に恐怖に同期しない
私はいつも「明日死ぬ」と思っているので、ひどいことが起きてもこれが人生だと受け入れてこれました。
それが「いつ収束するかもわからない沼のような状況からどう脱出するか」ばかり考えてしまう始末。
明日が想像できないことに恐怖を感じていました。
もちろん家族、従業員の生活を背負っていて、そのこと以外に何を考えるんだ!!!という人がたくさんいます。
その立場を思うと自分も苦しいです。
でも「今のところ大丈夫な人は、必要以上に最悪な状況に同期しないこと」が大切なのだと私は学びました。
この状況を一旦受け入れて、今できることで自分を出来るだけ幸せな気分にすることの重要さに気づきました。
それは「自分がよければそれで良い」とか「事なかれ主義」とは違うと考えます。
ポジティブな人の近くにいるとそれだけで元気になれる時があるんです。
良い事もたくさんあったので、それをシェアします
カナダで外出自粛が始まり緊張した空気が流れていた中で、クロアチアでは同時期に140年ぶりの大地震が起きました。
同じように外出自粛が求められていたにも関わらず、クロアチアの人々は屋外に避難しなければなりませんでした。
カナダで知り合ったクロアチア人の友人は、とてもショックを受けていて私は何も気の利いたことを言えませんでした。
しかしその友人は翌週には「私は今、ゆっくり時間を過ごすことができて自分のことに集中できる状態なことに幸せを感じるわ。もちろん家族とは毎日連絡をとっているけどね」と言っていました。
私は彼女の笑顔を見て、あまりにも素敵だったので泣きそうになってしまいました。
バンクーバーでは毎日夜7時になるとたくさんの人々がバルコニーにでて拍手を送ります。医療関係者にエールを送りたいという気持ちからSNSを通して始まった行動です。
人によってはそんなことをしても意味がないとか、病気の人には迷惑だと思う事もあると思います。それはそれで、良いも悪いもなく尊重されるべき考えです。
ただ自粛生活の孤独に押しつぶされそうなときに、その音は私にとってもエールでした。
エールを送る様子を撮った動画です。
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私も、人に対して恐怖ではなくポジティブな気持ちをシェアできる側の人間でいたいです。
時には出口の見えない不安に負けてしまうかもしれません。それでもいいと思います。人間ですから。
でも出来るだけ自分や人の心に平和があるように祈っていたいです。
この記事を誰が読むのかわかりませんが、あなたの心にも平穏がありますように。
Peace be with you
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